はじめに

この小冊子は、日々、建築現場に携わっている施工管理技士達の個人的経験に 基づく、失敗しない「注文建築」と「リフォーム」のマニュアルにしました。
あくまでも我々、個人の経験に基づいて書きましたので、時にはバランスの欠けた部分もあるかもしれません。
しかし、出来る限り、みなさんにわかりやすく、おもしろく、おかしく読んでいただくことに留意して書いたつもりです。
単なる読み物ですので、さらっと読み流していただき、何か一つでもヒントを得ていただけたら幸いです。
建設業界に30年近く身を置いてきた筆者達は、多くの現場を経験し、新築ビル、新築一戸建住宅、新築マンション、ビルリフォーム、一戸建リフォーム、マンションリフォームなどの物件やお客様と触れ合う機会に恵まれてきました。
そして、この度、「注文建築」と「リフォーム」という観点から今までを振り返ると、いくつかの法則があることに気がつきました。
初めは、私だけが感じている特別なものではないかと思っていたのですが、年を重ね、見てきた物件が多くなるにつれて、建設業界と一般のお客様との間にある常識の違いのようなものが存在することに気づいたのです。
同僚にその内容を話してみると、同じような思いをしている事に気づきました。
ときには業界のタブーとされている事もあるのですが、ここに書き綴ってみました。
一般のお客様は、建設業界はとにかく胡散臭く、悪徳業者の横行する"得体の知れない業界"と思われています。
一般の方々は失敗しない「注文建築」「リフォーム」のために、業者選びや、見積り価格が適正かどうか迷ってしまいます。そして何より、「安くて良い工事」が出来ないものかと模索されるのです。
けれども、この冊子で伝えたいのはそういった具体的な業者選定法や、適正見積り価格の算定の仕方ではありません。
それらをする以前に知っておくべき内容があるのではないかという事なのです。失敗しないために"建築業界の常識"を知っておく事が大切な事ではないかと思います。
一般のお客様と業者との間にある"常識の違い"からくるお互いの「シコリ」の様なものが見受けられます。
いい業者が良心的な施工をしているにもかかわらず、お客様に不満があったり、逆に、あまり良心的に思えないような施工をしている業者でも営業マンが言葉巧みにお客様と接している場合は、良好な工事に見えてしまったりします。
また、大手メーカーの施工は、一括下請けさせているケースがほとんどで、丸投げ体質があるにもかかわらず、安心感がお客様に沸いてくるのはなぜでしょう。
近所の職人さんにリフォームをしてもらったけど、なんだかしっくりこない。おそらく、安くはついているんだろうけど…。
一般のお客様と、業者との常識の違いから来るお互いの"違和感"や"ミスマッチ"を言葉で説明することは非常に難しいと思います。
永年月、この業界に身を置き、お客様と業者との間にある、何とも言いがたい関係を数多く私達は見てきました。
私達なりに日ごろ感じている、物作りを続けてきた経験からくる、そんな感覚を何とか体系化しようとしたのがこの小冊子です。名付けて「うそつき大工さん」です。
途中に、騙されやすさチェックリスト、騙されやすさをチェックするフローチャートを載せていますので楽しく読んでみてください。
ここに載せている内容は、今まで得た経験則に基づくものです。失敗しない「注文建築」、失敗しない「リフォーム」に必要な「失敗しない法則」について要素を取り出し、それをまじめに、おもしろ、おかしく書いたつもりです。
これから家を建てられる方、リフォームを考えておられる方に読んでいただき、工事に向けての一助になれば幸いです。
また、建設業界に身を置いておられる方々が読まれ、お客様とのミスマッチがなぜ起きているのかを楽しく知っていただければ良いと思います。

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